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Tea for Two  再び・・・。
この曲自体、実はそんなに好きじゃないんです。
甘ったるすぎて、ちょっと・・・(^^;)
でも、このシチュエーションには心惹かれまくりでして・・・

午後のお茶って、安定した関係だからこそ持てる時間。
家でゆったりお茶を淹れて過ごす・・・
恋人でも、夫婦でも、「心の贅沢」な時間だと、私は思うんです。
休日って何かと忙しく過ごして終わってしまうでしょ?

朝目覚めた時の二人ではなく、夜のデートでもなく、
暖かな日差しとともに、最愛の人と過ごす午後のひと時。

っちゅーことで、チャンミン編に続いて、ユチョン編です(^^;)





Tea for Two~

「意外と簡単なのよ。」
「だって初めてなんだろ?作るの。」

一瞬振り返った君は、得意げに微笑んだように見えた。
ふんわりと結った髪の傍らで、頬が柔らかく緩んでいる。
キッチンに差し込む午後のまろやかな光が、君を包む。
満足気に眺めながら、僕はリビングでお茶を淹れる。

「分量さえ間違わなければ、レシピ通りに作れるのよ、お菓子は。」
「それなら誰でもパティシエになれそうじゃん。」
「いじわる言うなら、もう食べなくていい。」

君の後ろ姿はほんの少し肩が揺れて…ちょっとだけ怒ったの?
無造作に結んだシュシュがほどけそうで、その髪に触れたくなる。
組んでいた足をゆっくりと戻し、気配を消して立ち上がった。
そして…気付かれないように、そっと、そっと、背中に近づく。

「何?」

君の右肩に顎を載せて、手元をのぞき見しながら腰に手を回す。
捕まえた。今日はもう離さない。

「ほんとにできるの?難しいって日本のスタッフも言ってたよ。」
「これオーブンに入れたらおしまい。もうちょっと待ってて。」
「このままじゃダメ?」
「片づけておかないと気になるのよ。あなたもそうでしょ?」

バニラの甘い香りが僕らの周りに満ちている。
家では香水をつけない君の、
日だまりを思わせる匂いを一緒に、胸一杯に吸い込んだら…
首筋にキスして、耳元でささやく。
「今、話したいことがあるんだ。」
「何?だからここを片づけて…」

言い終わらないうちに抱き上げたら、もう僕のものだ。
頬をつねって抵抗していた君も、すぐに諦めて肩に手を回す。
不意打ちは、僕の得意技だから。

「あれ、お茶を淹れてくれたの?」
「うん。ちょうど飲み頃だよ。」

そっとソファに僕の宝物を降ろす。
おどけて執事のようにお辞儀をすると、君は微笑んでそれを受ける。
いつもは二人ともブラックで飲むコーヒーだけれど、
たまにはこんなのもいいだろう?
お茶を注ぐ君を、後ろからもう一度抱きしめる。

「一緒に暮そう?ずっと一緒に。こうして毎日顔を見て、笑いあって生きたい。」

その時がきたら渡そうと、ずっと首にかけていたペンダントを、
僕のぬくもりとともに君の首筋にそっと乗せる。
細い指でその鎖をたどりながら、しばらく君はうつむいていた。
お互いへの愛は、よくわかってる。
でも、君の瞳は、胸元ではないどこかを見つめている。
辛抱強く、僕は君の言葉を待つよ…。

「私じゃあ、あなたのファンに認めてもらえないわ。
 家庭的でもなければ、内助の功ってタイプでもないし。」

ゆっくりとカップを口元に運び、気持ちを落ち着かせるようにひとくち飲むと、
君は珍しく弱気なことをつぶやいた。

「何だってできるじゃない。
 料理も何だって作ってくれるし、掃除も手際良いし、大工仕事だって出来ちゃうだろ?」

肩に乗せた手に、君は温かい手を重ねる。

「あなたがいるからよ。」
「ん?」
「ベランダに植えた球根は、育っていくのをあなたと眺めたくて。
 新しいランプの下で、あなたと過ごす夜を考えたら模様替えがしたくなって。
 あの版画は、あなたに見せたくて、今朝掛けたの。」

僕もそうさ。君がいるから、こうして穏やかに笑っていられる。
だから…

「そのすべてを、君と一緒にしたいんだ。
 毎日増えていくベランダの緑を、ここから一緒に眺めたい。
 ソファは、二人で運べばあっという間に移動できるだろ?
 君に手渡してもらった釘で、ここに僕らの写真を掛けるんだ。」

上手く言えたかな?これはプロポーズなんだよ。
今日こそ逃げないで返事をしてほしいんだ。

そんな僕の気持ちを見透かしたように、
君は頬にキスして立ち上がる。

「そろそろ出来上がるかな?オーブンから出さないと。」
「ねぇ、温かいまま食べちゃおうか?」
「だめだめ!最初はレシピ通りに、それからアレンジでしょ。」

何事もなかったかのように、すたすたとオーブンの前に立つと、
君は不意に振り返る。

「一緒に片づけをしてくれるんじゃなかった?」

それが、返事だと思っていいよね?
2つのカップを手に、僕は君に近づく。
今日から何をするのも一緒だよね?

「今日はプリン記念日だな。」
「何よそれ。もうちょっとしゃれた名前にしない?作詞家先生。」

片づけをしながら、立ったままふたりでお茶を飲む。
さりげない日常が、たった今から二人のかけがえのない出来事になるんだ。
「明日、一緒に指輪を見に行こう。」
「普通は先に用意しておくものでしょう?」
「君は気に入ったものじゃなきゃしてくれないじゃない。」
「時と場合によるのよ。」

思わず頬が緩む。

「何?」
「こんな風に毎日君と話しながらなら、皿洗いも楽しいよな。」
「じゃあぜ~んぶお願いするわ。私は隣で監視ってことで。」
「なんだよ~二人でするから楽しいんだろ?」

肩をぶつけあいながら、午後のキッチンで微笑む。
僕らのティータイムは、始まったばかり。
Tea for Two  再び・・・。_f0150112_22545627.jpg

by kako-one | 2009-10-16 20:49 | ♪もうひとつのTVXQ♪
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