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SHINE~どんな時も君は~冬、そして・・・Don't Say Goodbye 2
↓ の「SHINE~どんな時も君は~冬そして・・・Don't Say Goodbye 1」の続きです。







年が明けると、卒業式の準備で学校中が慌しくなる。
俺は元々あてにもされてないし、相変わらず学校では寝てばっかだけど。
ミナとはあれ以来、なんとなくぎこちなくて、ちゃんと話をしていない。
聞きたいことはたくさんあるけど・・・怖くて聞けなかった。
ヒョクチェに聞いてみようか?でもなぁ・・・。
ほぼ毎日一緒にいても、なかなか聞けないことって、あるんだ。

自習時間も机にうつぶせたままうだうだ考え事をしていると、ミナと目が合った。

「ちょっと。」
小声で手招きされた。何だよ??聞くのも怖いよな・・・。

むっくり起き上がって、空いているミナの隣の席にひょいと飛び乗った。
普通に、普通に、聞けばいいんだよな。
いきなりミナが顔を近づけてきた。一瞬にして体温が上がる。

「な、なんだよ?」
急に小声になって、伏し目がちに話し始める。
「あのさ、第2ボタン、予約あるの?」
「なんだよ予約って」
「ジュンスのが欲しいって子に頼まれたのよ。ほら、バスケ部のさ、仲良かった」
「ボタン無かったら寒いじゃん」
「あんたねぇ・・・全部残ってたらさぁ、逆に恥ずかしいもんでしょうが~」

なんだかわからないけど、急に腹が立ってきた。
何頼まれてんだよ、こいつ。
怒りに任せて、その場で2番目のボタンをむしりとった。

「お前がこれ預かっとけ。卒業式終わるまで誰にも渡すなよな!」

思わず怒鳴って、乱暴にミナの手にボタンをのせると、教室を出た。
何だよ、何頼まれてんだよ。
お前はさ・・・お前は誰かにもらうつもりなのか?

廊下を出たところで、人にぶつかった。

「あれ、ジュンス、何よ、小さくて見えなかった?(笑)」

確かに、勢いで出てきたから前を見てなかったけど・・・。
ユミンが笑いながら、落としたプリントを拾いはじめていた。

「悪い。俺やるよ。」

一体どんだけ運んできたんだ?バラバラになったプリントの山を拾い集めると、
しっかり袖をつかまれた。

「じゃあさ、これ、まとめなおすから付き合って。」

すぐ隣の空き教室で、二人で種類別に整頓しなおしだ・・・今日はついてないな。
今週の課題に、卒業式のスケジュールに、後は何だ?
思わずため息が出る。
ま、頭を冷やすのにはちょうどいいか。
手を休めずに、ユミンは静かに話を始めた。


「ねぇ、あの日、ミナに天使の羽をあげたでしょ?」
「え?」
「文化祭のさ。見てたんだ。仕上げ頼まれてたし、夕方教室覗きに行ったの。」

見てたのか?誰もいないと思ってたのに。

「 ・・・嬉しかったよ。私もミナに羽をあげたかったんだ。自由になれるように。」
「何だよ、ユミンが言うとかっこいいよなぁ~。」


文化祭の手形取りの日だ。
俺たちの羽を眺めるミナの後姿が、あの日はいつもより小さく見えた。
バスケやめて筋肉落ちたか?
作品を前にしゃがみこんだミナの肩に、俺の両手をそっとかざしてみた。
うん、お前も羽があったら飛べるんじゃないか?
ほかに夢を見つけられるさ。
そんなせりふが俺に似合うわけもなく、黙って教室を出たあの日。


「聞いたんでしょ?アメリカ行くって。」
「あ?う、うん・・・。何だよ、急だよなぁ?」
「・・・きっと、戻ってくるからさ、忘れないでいてあげてよ、ね?」
「何だよ、1年とかじゃないのか?どういう・・・・」
「さんきゅ、さ、ついでに教室で配るの手伝ってよ。今日の宿題。」
「ユミン、あのさ・・・・」

勝手に話を切り上げて、ユミンは早足で出て行ってしまった。
何だよ、忘れないでって。
忘れられたら、苦労なんかするかよ。

** * * *

どうもユミンの話が気になった。
やっぱりミナに直接聞いた方がいいよな。
何年行くとか、それくらいなら聞いてもおかしくないよな?

終礼が終わり、言い訳を考えながら振り返ると、ミナはもういなかった。
「おい、ミナ帰ったのか?」
「音楽室借りて練習するって。」
「何をだよ?」
「卒業式で伴奏頼まれたじゃない。本当ジュンスは何も聞いてないなぁ。
やりたい子がいなくて結局ミナが引き受けたけど、しばらく弾いてないみたいだし。」

ったくなんでも引き受けてお人よしなんだからな。
あれ?あいつ、いつピアノやめたんだ?


走って別館の音楽室まで行くと、中からぎこちないピアノの音がしていた。
この程度で卒業式に弾くつもりかよ・・・大丈夫かまったく。

「なんでそんなの引き受けたんだよ。ばっかだな~」
「あれ?ジュンス。まだ帰らないの?」
「今日は急がないからさ。どうすんだよ、全然ダメじゃん。」
「だって・・・誰もやりたがらないし、最後に・・・」
「何?」
「いや、なんでも・・・」
「ちょっと俺も座らせろ。」

強引にミナの隣に並んで座る。
春を思わせる、ほのかに甘い香りがする。日なたの香り。
昔、ちいさな秘密基地で、くっついて雨を凌いだ事を思い出す。
ダメだ、余計なこと考えるな。
ちいさくひとつ、深呼吸して鍵盤に手をのせる。
最近は自分で作った曲しか弾いてないから自信は無かったけど、
少なくともミナよりはマシだ。

指先に、ミナの視線を感じる。
二人だけの、静かな時間。


「すごいなやっぱり・・・ねぇ、代わりに弾かない?」
「やるわけないだろ~。それよかさ、お前何年で帰ってくるんだよ?」
「え・・・・ええと、そうだな・・・大学はこっちで入りたいけど」
「親父さんの仕事なら何年って決まってんじゃないの?」
「さ、さぁ、そこまで知らないし・・・」
「知らないって、お前、どうすんだよ、これからやりたいこととかさ。」
「そんなこと・・・・わからないもん。」

急に声が震えると思ったら、ミナは涙ぐんでいた。
俺、変なこと言ったか?泣かせた?
こんなことくらいで泣くミナじゃないだろ?

「ごめん。声大きかったか。怒ってるわけじゃないんだ・・・」
「・・・私も、さっきはごめん。変なこと頼まれちゃったから怒ってるんでしょ。」
「だから怒ってないって・・・。」

あれから初めて見る涙だった。
指で涙をぬぐうと、真顔になってこう言った。

「ね、少しだけ教えて。ここの指使いがうまくいかないんだ。」
「ここだけじゃないだろ?もう一回最初から弾いてみろよ。」
「なによ言いたい放題じゃん!そんなことないって、ちゃんと聞いててよ」

それ以上話を元に戻せないまま、俺たちは練習を始めた。
つっかえるたびに手本を見せて、そして弾いて・・・
俺たちの急場しのぎの特訓は続いた。

上手くならなければ良いな。そしたら明日も、明後日も、こうして・・・。
騒がしい校庭から離れたひんやりした空気、ミナの甘い香りと、オレンジ色の夕日。
時間が止まったらいいのに、と、歌詞みたいな事を思う。
俺たちに残された時間は、あと少ししかないんだ。


その翌日、ソウルからの帰りのバスは、久しぶりにヒョクチェと二人だった。

「お前さぁ、年末のこと、怒ってんのか?最近口数少ないし」
「それいつの話だよ(笑)・・・それよりお前さ、ユミンとどこ行ってたんだ?」
「どこって・・・変なとこ行ってないぞ。」
「んなこと聞いてないだろ。」
「・・・ほら、昔作った基地をさ、見に行ったんだ。」
「基地?」

ヒョクチェも覚えてたんだな。俺たちの秘密の場所。

「話のついでにユミンに見せたくて。でも、もう何もなくなってた。」
「そりゃそうだろ~。あんなとこ行ったって何もないし、つまんないじゃん。」
「いや、そこでさ、キスしたらさ~ビンタされた。」
「ぶはっ、それで頬腫れてたのか!(笑)」
「いい雰囲気だったんだけどな~思わず舌・・・」
「なにぃ!?」
「何でお前が赤くなってんの?ま、お前らは聞くまでもなく進展なさそうだな。
ああ~おかげであれから口聞いてくれないんだよなぁ。ど~しよ~。」
「知るかよそんなこと!」

結局今日もヒョクチェには聞けなかった。
ミナのことなら、お前の方が良く知ってるはずだよな・・・。
大事なことを黙ってるやつじゃないし・・・どうして話題にしないんだろう。
うたた寝を始めたヒョクチェを肩に乗せて、俺はぼんやりと窓の外を眺めた。
風が冷たい日は、月がきれいだ。ミナにも見えてるのかな。
ピアノ、復習してるかな・・・。





誰にも話が聞けないまま日にちだけが過ぎて行った。
卒業式なんて、あっという間にやってくるんだな。
その日の俺は相変わらずで、退屈で寝てしまいそうだったけど、
背が伸びた分目立つからそうもいかない。
背筋伸ばして真面目な振りくらいしないとな。最後なんだから。
それに、今日はミナがちゃんと弾けるか見届けないと。
一応俺は、コーチだからな。

あれからかなり練習したのか、ぎこちないなりに目立った失敗も無く、
ミナは無事に伴奏をこなした。さすがに度胸が違うよ。
やっぱりお前には弟扱いされても仕方ないのかもな・・・。
席に戻る時、目が合うとこっそりVサインをして(ありがとう)と口を動かした。
この笑顔にしばらく会えなくなるんだよな・・・。
まだアメリカ行きが信じられなかった。

教室での最後のお別れは淡々と過ぎ、
気持ちが晴れないまま俺は最初に教室を出た。
何だか知らないけど、ボタンをくれだとかうるさいやつらばかりでうんざりだ。
校庭に出たところで、後ろからミナの声がした。

「ジュンス!」

振り返ると、右手を上げて走ってくるあいつの姿。

「ジュンス!これ、返さなくちゃと思って。」

握り締めた手のひらには、あの日無理やり渡したボタンがあった。

「あんたのあげたい人に渡さなくちゃ。」

返されたボタンは、ほんのり温かい。
一度ぎゅっと握り締めてから、ミナの前に差し出した。

「やるよ。」
「え?」
「お守り。戻ってきたら、返せよ。」
「いいの?あげたい子、いるんじゃないの?」

・・・お前だからさ。

そう一言言えば済むのに・・・どうしても言葉が出てこない。
いまさら何を怖がってるんだ?
それでもやっぱり勇気が無くて、言えない自分に腹が立つ。
ただあいまいに笑うことしかできないなんてさ。
寒さでほんのり赤くなった手にぎゅっとボタンを握り締め、
うつむいた顔が微笑んだように見えたのは・・・錯覚かな?

「ありがとう。なくさないで大事に持ってるから。」
「本当に今日行くのか?」
「うん。門の外でタクシー待たせてるってお父さんが。」
「そっか。」
「ジュンス。」
「ん?」
「花火の日、ありがとね。それと、ピアノも付き合ってくれてありがと。
 恥かかずに済んだわ。最後くらい格好よく決めないとね!」
「おぅ・・・。」
「じゃあ、これ、預かっとくね!帰ってきたら、返すよ。必ず。」
「ん・・・。」
「あ、お母さんが呼んでるから、行かなくちゃ。それじゃ・・・元気でね。」
「お前もな。」

コートの裾を翻して、ミナは軽やかに走って行った。
校門で待っていたお母さんに肩を抱かれて・・・振り返りもせずに、あいつは車に乗る。
一人残された俺は・・・ただ黙ってその後姿を見送るしかなくて・・・。
何も言えなかった事を、後悔する時が来るかな?
いつか帰ってきたら・・・笑って話せるのかな。
ダメでも、気持ちを聞いてみればよかったのかな・・・・。

校庭にはどんどん人があふれ出てきたけれど、俺にはもう誰も目に入らなかった。
ミナが去った後は、学校はただ色あせた建物にしか見えないよ。
ぼおっとしている俺は肩を叩かれて振り向いた。
いつもと違うユミン・・・そして、ヒョクチェも怖い顔をして立っていた。

「ねぇ、ミナに会った?何も言ってなかった?」
「何ってなんだよ?ボタン返すって言うからさ、断ったけど。」
「そんなことじゃなくてさ、ミナ、もしかしてもう行っちゃったの?」
「うん。タクシーで行くって、さっき出てったぞ。」

それを聞いてユミンが泣き出してしまった。

「何だよ、そのうち帰ってくるんだろ?薄情なのははっきり言わないあいつじゃん。」
「違うんだよ。ミナは、自分が手術するためにアメリカ行くんだ。」
「バスケで運動ができなくなったわけじゃないのよ、あの子。」

何の話だ?こいつら何言ってんだ?

「どういうことだよ?」
「事故の時、検査で病気がわかったけど、あの子が知ったのは文化祭の日なの。」
「そう、その時はもう隠せないほど進んじゃってて。
・・・手術は難しくて、アメリカに行かなきゃ治らないって、おばさんが言ってた。」
「俺だけ・・・知らなかったのか?」
「ミナに言わないでくれって頼まれたんだ。元気に帰ってくるから心配しないでって。
 お前がいちばんミナのこと心配してるだろ?
 ミナの気持ち・・・お前に言えない気持ち、わかるだろ?」
「わかんねぇよ!」

何でだよ、何で俺には言わないんだよ。俺の気持ちはどうなるんだよ?
まだ聞いてもいないのに・・・。

走って、走って、校門の外に出たけれど、
車はもちろん見えやしなかった。
このまま会えないなんて、ありえないよ。そうだろ?
でも、俺には追いかけることもできない。
会えたところで、何が言える?

ひとりになれる場所を探して、俺は校舎の屋上に上がった。
寝転んで、空を見上げる。
どんより曇ってるんじゃ、飛行機も見えないな。
目を閉じて、あの日のミナを思い出す。
初めてでもないだろうに、花火を嬉しそうに見上げた横顔。
あの時に、言いよどんだあの時に、あいつは話そうとしたんじゃ?
俺は、どうしてあいつの様子に気づかなかったんだろ?


そうだ、電話。
まだ空港には着いてないよな?
かじかんだ手で、あいつの名前を探す。
呼び出し音が3回、4回・・・・・出ないつもりか?
6回、7回・・・・・このまま、終わりたくない。
8回・・・・・・

「・・・もしもし。」
「俺。」
「うん。」
「ユミンに聞いた。」
「・・・そっか。ごめん・・・。」
「何で黙ってたんだよ・・・。」
「・・・うまくいったら、そうしたら、またいつか会える時もあるかなって。」

それはどういう意味だ?思わず胸が熱くなった。
でも・・・言葉にならない。

「短縮、3番に入れたままだよな?」
「うん・・・。」
「いつでも電話しろよ。」
「うん・・・。」
「デビュー決まったら、ぜったい見に来いよ。」
「うん、うん・・・。」
泣いているのか・・・・それ以外の言葉が聞けなかった。

「またな!」
「うん、またね!」

さよならは言わない。
忘れない。
きっと帰ってくるよな?

まだガキの俺たちには、それ以上できることなんてなくて。
でも、心意気は大人には負けない。
空は続いてる・・・ずっと、世界のどこまでも。

携帯を閉じて、目を閉じて、あいつの顔を思い出す。
笑った顔、怒った顔、・・・・・俺たちにだけ見せた、泣き顔。
小さかった女の子は、いつの間にか俺の心を捉えた女の子は、
ちょっと大人びた笑顔を残して、振り返らずに行ってしまった。


閉じたまぶたが、冷たい。
雪・・・・熱くなった瞳をクールダウンして、頬へと流れ落ちる。
春はまだ遠いのかな。
それぞれの道へ向かう春は・・・きっと来ると信じて。


Don't Say Goodbye



눈 맞추지 못하는 그댈 읽을 수 없죠
길을 잃어버린 아이 같아서 기다리고만 있죠
어떤 말을 할건지 사실 난 알고 있죠
진심이 아닌걸 눈치 챈걸요 눈물이 말하잖아요

Don't say goodbye
그 손을 놓지 말라는 마음이 들려요
그대 맘이 들려요 아직 나만을 원하죠
그댄 숨길 수 없죠 그댄 거짓말을 못하죠

허락할 수 없어요 헤어지잔 거짓말
눈을 보고 말해봐요 아니잖아요 진심 아니잖아요

Don't say goodbye
그 손을 놓지 말라는 마음이 들려요
그대 맘이 들려요 세상이 등 돌려도 힘든 사랑이라도
You are my love, you are my soul

Don't say goodbye don't leave me now
함께 나눈 약속이 내겐 전부인걸요

Don't say goodbye You are my everything to me
지친 내 하루는 항상 그댈 찾겠죠
마르지 않는 샘처럼 그댈 사랑할께요
You are my love, you are my soul

Don’t say good bye you are the only one for me
없었던 일처럼 오늘이 또 지나면
서로 맘을 놓지 않고 모두 이겨내겠죠

Cause you are my everything to me 


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なんとかxiahdayに間に合わせようと必死でしたが
実はまだ続きが(笑)←これはさすがに無理だった~~(^^;)

一応タイトルの曲で締めないと~とラストは決めてあるんですけど、
春になりそうです・・・。
お付き合いくださってる人がいらっしゃるかどうか分かりませんが(^^;)
最後まで読んでくださったゲストさん、本当にありがとうございます~(^^)
by kako-one | 2008-12-15 00:01 | ♪もうひとつのTVXQ♪
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